古今和歌集 巻第二 春歌下 131番
聲たえず
声を絶やさずに鳴け、鶯よ。一年のうちに二度と来る春ではないのだから。

現代語訳
〔詞書〕寛平の御時、后の宮の歌合の歌。
声を絶やさずに鳴け、鶯よ。一年のうちに二度と来る春ではないのだから。
意訳
春は一年に一度しか来ない。だから鶯よ、今のうちに声を惜しまずに鳴け、と過ぎゆく春を惜しむ。
語釈・文法注
- なけや
- 鳴けよ。
- ふたたびとだに
- 二度とさえ。
- 来べき春かは
- 「かは」は反語。来るはずの春だろうか、いやそうではない。
和歌
- 作者
- 藤原興風(ふじわらのおきかぜ) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
藤原浜成の曽孫で、相模掾・治部少丞などを務めた。管絃にも長じた。寛平期の歌合で活躍した。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・131番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時きさいの宮の歌合の歌」(寛平の御時、后の宮の歌合の歌)。
修辞
- 反語
- 「来べき春かは」。
解説
藤原興風の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、23頁(コマ25)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日