古今和歌集 巻第二 春歌下 130番
をしめども
いくら惜しんでも春はとどまらない。春霞が、春の帰る道に立ってしまったと思うと。

現代語訳
〔詞書〕春を惜しんで詠んだ歌。
いくら惜しんでも春はとどまらない。春霞が、春の帰る道に立ってしまったと思うと。
意訳
春を惜しんでも引きとめられない。霞が立つのを、春が帰り支度をして道に出たのだと見る。
語釈・文法注
- とどまらなくに
- とどまらないのに。
- 帰る道にし
- 「し」は強意。
- たちぬ
- 霞が「立つ」と春が「発つ」。
和歌
- 作者
- 在原元方(ありわらのもとかた) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
在原業平の孫、在原棟梁の子。藤原国経の養子になったとも伝える。『古今和歌集』の巻頭歌「年の内に」の作者。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・130番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「春を惜みてよめる」(春を惜しんで詠んだ歌)。
修辞
- 掛詞
- 「たち」に霞が「立つ」と、旅に「発つ」をかける。
解説
在原元方の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、23頁(コマ25)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日