古今和歌集 巻第二 春歌下 129番
花ちれる
花の散っている水の流れに沿って、春をたずねて来てみると、山にも春はもうなくなってしまっていたことだ。

現代語訳
〔詞書〕三月の末ごろ、山を越えた時に、山川から花が流れてきたのを詠んだ歌。
花の散っている水の流れに沿って、春をたずねて来てみると、山にも春はもうなくなってしまっていたことだ。
意訳
川を流れる花びらをたどって山奥まで春を探しに来たが、山にももう春は残っていなかった、と春の終わりを惜しむ。
語釈・文法注
- まにまに
- …に従って。
- とめくれば
- たずね求めて来ると。
和歌
- 作者
- 清原深養父(きよはらのふかやぶ) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀前半)
内匠允・内蔵大允などを務めた。琴の名手でもあった。清少納言の曽祖父、清原元輔の祖父にあたる。晩年は洛北に補陀落寺を建てて住んだと伝える。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・129番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「やよひのつごもりがたに山を越えけるに山川より花の流れけるをよめる」(三月の末ごろ、山を越えた時に、山川から花が流れてきたのを詠んだ歌)。
解説
清原深養父の歌。春の行方を追う発想が印象的である。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、23頁(コマ25)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日