古今和歌集 巻第二 春歌下 127番
梓弓
春になってから、月日が矢を射るように早く過ぎていくと思われることだ。

現代語訳
〔詞書〕春が早く過ぎることを詠んだ歌。
春になってから、月日が矢を射るように早く過ぎていくと思われることだ。
意訳
立春からまだ間もないと思っていたのに、もう春が終わろうとしている。時の流れの速さを、弓を射る矢にたとえた。
語釈・文法注
- 梓弓
- 「はる(張る)」にかかる枕詞。また「射る」の縁語。
- 射るがごとく
- 矢を射るように。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・127番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「春のとく過ぐるをよめる」(春が早く過ぎることを詠んだ歌)。
修辞
- 枕詞
- 「梓弓」。
- 縁語
- 「梓弓」「はる」「射る」。
解説
時の速さを矢にたとえる「光陰矢のごとし」と同じ発想。躬恒の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、23頁(コマ25)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日