古今和歌集 巻第二 春歌下 124番
吉野川
吉野川の岸の山吹は、吹く風に散って、川底に映った影までも色あせてしまったことだ。

現代語訳
〔詞書〕吉野川のほとりに山吹が咲いていたのを詠んだ歌。
吉野川の岸の山吹は、吹く風に散って、川底に映った影までも色あせてしまったことだ。
意訳
岸の山吹が風に散ると、川面に映る花の影までもが消えていく。実景と水に映る影とを重ねた。
語釈・文法注
- 底のかげ
- 川の底に映った影。
- うつろひにけり
- 色あせてしまった。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・124番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「吉野川の邊に山吹の咲けりけるをよめる」(吉野川のほとりに山吹が咲いていたのを詠んだ歌)。
解説
水に映る花を詠む貫之の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、22頁(コマ24)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日