古今和歌集 巻第二 春歌下 123番
山吹は
山吹よ、わけもなく咲かないでおくれ。花を見ようと植えた人が、今夜は来ないのだから。

現代語訳
山吹よ、わけもなく咲かないでおくれ。花を見ようと植えた人が、今夜は来ないのだから。
意訳
山吹を植えた人が見に来ないのに、咲くのはむだなことだ、と来ない人を恨む心を山吹に託す。
語釈・文法注
- あやなな咲きそ
- 「あやなし(わけがない)」の語幹+禁止の「な…そ」。わけもなく咲くな。
- 植ゑけむ君
- 植えたあなた。
- 来なくに
- 来ないのに。
和歌
- 作者
- 読人しらず(よみびとしらず)
作者の名が伝わらない歌。『古今和歌集』の約四割を占め、撰者の時代より古い歌や、民謡・宴席で歌い継がれた歌、身分の低い人や女性の歌などを含む。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・123番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。
修辞
- 擬人法
- 山吹に呼びかける。
解説
恋の気分をただよわせる読人しらずの歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、22頁(コマ24)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日