古今和歌集 巻第二 春歌下 116番
春の野に
春の野に若菜を摘もうと思ってやって来たのに、散り乱れる花に、道に迷ってしまった。

現代語訳
〔詞書〕寛平の御時、后の宮の歌合の歌。
春の野に若菜を摘もうと思ってやって来たのに、散り乱れる花に、道に迷ってしまった。
意訳
若菜摘みに来たはずが、散り乱れる花に目を奪われ、道もわからなくなった、と落花の美しさを詠む。
語釈・文法注
- つまむと
- 摘もうと。
- こしものを
- 来たのに。
- 散りかふ
- 散り乱れる。
和歌
- 作者
- 紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・116番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時きさいの宮の歌合の歌」(寛平の御時、后の宮の歌合の歌)。
解説
貫之の歌。72番と同じく、落花に道を失う趣向である。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、21頁(コマ24)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日