古今和歌集 巻第二 春歌下 110番
しるしなき
効き目のない声で鳴くことよ、鶯は。今年だけ散る花ではないのに。

現代語訳
〔詞書〕鶯が花の木で鳴くのを詠んだ歌。
効き目のない声で鳴くことよ、鶯は。今年だけ散る花ではないのに。
意訳
花が散るのは毎年のこと。それなのに鶯は、今年初めてのように鳴いて惜しんでいる、と鶯を哀れむ。
語釈・文法注
- しるしなき
- 効果のない、むだな。
- ならなくに
- …ではないのに。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・110番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「鶯の花の木にて鳴くをよめる」(鶯が花の木で鳴くのを詠んだ歌)。
解説
凡河内躬恒の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、20頁(コマ23)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日