古今和歌集 巻第二 春歌下 92番
花の木も
花の咲く木も、今はもう掘って植えまい。春になると、移ろう花の色に、人の心までが見習って変わってしまうから。

現代語訳
〔詞書〕寛平の御時、后の宮の歌合の歌。
花の咲く木も、今はもう掘って植えまい。春になると、移ろう花の色に、人の心までが見習って変わってしまうから。
意訳
花が色あせていくのを見習って、人の心も変わりやすくなった。だから花の木はもう植えまい、と人の心変わりを嘆く。
語釈・文法注
- ほりうゑじ
- 掘って植えまい。
- ならひけり
- 見習ってしまった。
和歌
- 作者
- 素性法師(そせいほうし) 生没年未詳(九世紀後半〜十世紀初め)
僧正遍昭の子。俗名は良岑玄利(よしみねのはるとし)といい、父の命で出家した。雲林院や大和の石上の良因院に住み、宇多天皇・醍醐天皇の歌会や屏風歌に召された。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・92番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「寛平の御時后の宮の歌合の歌」(寛平の御時、后の宮の歌合の歌)。
解説
花の移ろいと人の心変わりを重ねる、素性法師の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、17頁(コマ22)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日