古今和歌集 巻第二 春歌下 86番
ゆきとのみ
雪のように降るように散るだけでも十分なのに、桜の花を、この上どう散れというので、風は吹くのだろう。

現代語訳
〔詞書〕桜の散るのを詠んだ歌。
雪のように降るように散るだけでも十分なのに、桜の花を、この上どう散れというので、風は吹くのだろう。
意訳
花びらが雪のように降るだけでも悲しいのに、そのうえ風まで吹いて散らそうとする、と風を恨む。
語釈・文法注
- 雪とのみ
- 雪のようにばかり。
- 降るだにあるを
- 降るだけでもあるのに。
- いかにちれとか
- どのように散れというのか。
和歌
- 作者
- 凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) 生没年未詳(九世紀末〜十世紀前半)
『古今和歌集』の撰者の一人。甲斐少目・和泉大掾など地方の下級官人を務めたが、歌才は宇多・醍醐両天皇に重んじられ、屏風歌や歌合で活躍した。貫之と並ぶ歌人とされる。三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・86番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「櫻のちるをよめる」(桜の散るのを詠んだ歌)。
修辞
- 見立て
- 散る花を雪に見立てる。
解説
凡河内躬恒の歌。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、16頁(コマ21)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日