古典ライブラリー

古今和歌集 巻第二 春歌下 78番

ひとめ見し

紀貫之(きのつらゆき)

一目会ったあなたがまた来るかもしれないと、桜の花よ、今日は待ってみて、それから散るなら散ってほしい。

「ひとめ見し」の歌をもとにした情景。一目会ったあなたがまた来るかもしれないと、桜の花よ、今日は待ってみて、それから散るなら散ってほしい。
「ひとめ見し」の歌をもとにした情景。一目会ったあなたがまた来るかもしれないと、桜の花よ、今日は待ってみて、それから散るなら散ってほしい。
作者
貫之(紀貫之)
  1. 1あひあひあい知し知ししれりけるれりけるれりける人ひと人ひとひとのまうできてのまうできてのもうできて歸かへ歸かへかえりにけるりにけるりにける後のち後のちのちによみてによみてによみて花はな花はなはなにさしてつかはしけるにさしてつかはしけるにさしてつかわしける詞書
  2. 2ひとめひとめひとめ見み見みみししし初句
  3. 3君きみ君きみきみもやくるともやくるともやくると二句
  4. 4櫻花さくらばな櫻花さくらばなさくらばな三句
  5. 5けふけふきょうははは待ま待ままちみてちみてちみて四句
  6. 6散ち散ちちらばちらなむらばちらなむらばちらなむ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕知り合いの人が訪ねて来て帰ってしまった後に、詠んで花に挿して贈った歌。

一目会ったあなたがまた来るかもしれないと、桜の花よ、今日は待ってみて、それから散るなら散ってほしい。

意訳

訪ねて来てすぐ帰った友に、桜の枝を贈って、花もあなたの再訪を待っている、と伝える。

語釈・文法注

ひとめ見し
ちょっと会った。
君もやくると
あなたもまた来るかと。
待ち見て
待ってみて。

和歌

作者
紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。
出典
『古今和歌集』巻第二・春歌下・78番
歌体
短歌
状況
詞書「あひ知れりける人のまうできて歸りにける後によみて花にさしてつかはしける」(知り合いの人が訪ねて来て帰ってしまった後に、詠んで花に挿して贈った歌)。

解説

桜に託して再訪を促す、紀貫之の友情の歌。

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出典

底本
有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、14頁(コマ20)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日