古今和歌集 巻第二 春歌下 77番
いざ櫻
さあ桜よ、私もお前と一緒に散ってしまおう。ひとたび盛りの時があったなら、あとは人につらい目を見せることになるだろうから。

現代語訳
〔詞書〕雲林院で桜の花を詠んだ歌。
さあ桜よ、私もお前と一緒に散ってしまおう。ひとたび盛りの時があったなら、あとは人につらい目を見せることになるだろうから。
意訳
盛りを過ぎて生き長らえれば、衰えた姿を人に見せることになる。桜のようにいさぎよく散りたい、と遁世の僧の心を詠む。
語釈・文法注
- いざ
- さあ。
- ちりなむ
- 散ってしまおう。
- うきめ
- つらいありさま。
和歌
- 作者
- 承均法師(そうくほうし) 生没年未詳(九世紀後半)
雲林院に住んだ僧と伝える。経歴はほとんどわからない。 - 出典
- 『古今和歌集』巻第二・春歌下・77番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「雲林院にて櫻の花をよめる」(雲林院で桜の花を詠んだ歌)。
解説
71番の歌と同じく、散ることを潔しとする考えが見られる。
関連
出典
- 底本
- 有朋堂文庫『古今和歌集・後撰和歌集』 塚本哲三校訂、有朋堂書店、大正15年(1926)、14頁(コマ20)。正保四年版『八代集』を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日