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源氏物語 第21帖 少女(18)

六条院への移転と春秋の贈答

登場人物:光源氏・紫の上・秋好中宮・花散里・明石の君・夕霧

秋の彼岸のころ、源氏と紫の上、花散里が六条院に移り、数日後には秋好中宮も移る。九月、紅葉の盛りに、中宮は箱の蓋に花や紅葉を入れて、美しい童女に持たせて紫の上に贈り、秋の美しさを誇る歌を添える。紫の上は、苔や岩をあしらった箱の蓋に五葉の松の枝を添え、春の松の色の変わらなさを詠んで返す。源氏は、春の花の盛りに改めて答えるようにと言う。十月には明石の君も目立たぬように移ってくる。

秋の六条院で、濃い衵に紫苑の織物を重ねた童女が、色とりどりの花や紅葉を盛った箱の蓋を捧げて、反り橋の渡殿を渡っていく場面(AI生成)
秋の六条院で、濃い衵に紫苑の織物を重ねた童女が、色とりどりの花や紅葉を盛った箱の蓋を捧げて、反り橋の渡殿を渡っていく場面
  1. 1彼岸ひがん彼岸ひがんひがんのののころほひころほひころおい渡わた渡わたわたりりり給たま給たまたまふふう。。。一ひと一ひとひと度たび度たびたびにににととと定さだ定さださだめめめさせさせさせ給たま給たまたまひひいしかしかしかどどどさわがしきさわがしきさわがしきやうやうようなりなりなりとてとてとて中宮ちゆうぐう中宮ちゆうぐうちゅうぐうははは少すこ少すこすこしししのべのべのべさせさせさせ給たま給たまたまふふう。。。例れい例れいれいのののおいらかおいらかおいらかににに氣色けしき氣色けしきけしきばまばまばまぬぬぬ花はな花はなはなちるちるちる里さと里さとさとぞぞぞそのそのその夜よ夜よよそひそひそいてててうつろひうつろひうつろい給たま給たまたまふふう。。。
  2. 2春はる春はるはるののの御おん御おんおんしつらひしつらひしつらいはははこのこのこの頃ころ頃ころころにににあはあはあわねねねどどどいといといと心こころ心こころこころことことことなりなりなり。。。御おん御おんおん車くるま車くるまくるま十五じふご十五じふごじゅうご御前ごぜん御前ごぜんごぜん四位しゐ四位しゐしい五位ごゐ五位ごゐごいがちがちがちにてにてにて六位ろくゐ六位ろくゐろくいののの殿上人てんじやうびと殿上人てんじやうびとてんじょうびとなどなどなどはははさるべきさるべきさるべき限かぎり限かぎりかぎりをををえらえらえらせせせ給たま給たまたまへへえりりり。。。こちたきこちたきこちたき程ほど程ほどほどにににはははあらあらあらずずず世よ世よよのののそしりそしりそしりもももやややととと省はぶ省はぶはぶききき給たま給たまたまへへえれれればばば何事なにごと何事なにごとなにごともももおどろおどろしうおどろおどろしうおどろおどろしゅういかめしきいかめしきいかめしきことことことはははなしなしなし。。。
  3. 3今いま今いまいま一ひと一ひとひと方かた方かたかたののの御おん御おんおん氣色けしき氣色けしきけしきもももをさをさをさをさおさおさおとしおとしおとし給たま給たまたまははわででで侍從じじゆう侍從じじゆうじじゅうののの君きみ君きみきみそひそひそいてててそなたそなたそなたはははもてもてもてかしづきかしづきかしずき給たま給たまたまへへえばばばげにげにげにかうかうこうもももあるあるあるべきべきべき事こと事ことことなりなりなりけりけりけりととと見み見みみえええたりたりたり。。。女房にようばう女房にようばうにょうぼうののの曹司ざうし曹司ざうしぞうしまちまちまちどもどもどもあてあてあてあてあてあてのののこまげこまげこまげぞぞぞ大方おほかた大方おほかたおおかたのののことことことよりよりよりもももめでたかりめでたかりめでたかりけるけるける。。。
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  5. 5このこのこのまちまちまちまちまちまちののの中なか中なかなかのののへだてへだてへだてにににははは塀へい塀へいへいどもどもどもらうらうろうなどなどなどをををとかくとかくとかくゆきゆきゆきかよはしかよはしかよわしてててけぢかくけぢかくけじかくをかしきをかしきおかしきあはひあはひあわいにににしししなしなしなし給たま給たまたまへへえりりり。。。
  6. 6九月ながつき九月ながつきながつきににになれなれなればばば紅葉もみぢ紅葉もみぢもみじむらむらむらむらむらむら色いろ色いろいろづきづきずきててて宮みや宮みやみやののの御おん御おんおんまへまへまええええもももいはいはいわずずずおもしろしおもしろしおもしろし。。。風かぜ風かぜかぜうちうちうち吹ふ吹ふふきききたるたるたる夕暮ゆふぐれ夕暮ゆふぐれゆうぐれににに御おん御おんおん箱はこ箱はこはこののの蓋ふた蓋ふたふたにににいろいろいろいろいろいろののの花はな花はなはな紅葉もみぢ紅葉もみぢもみじをををこきこきこきまぜまぜまぜてててこなたこなたこなたににに奉たてまつ奉たてまつたてまつらららせせせ給たま給たまたまへへえりりり。。。
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  8. 8御おん御おんおんせうそこせうそこしょうそこにににははは、、、「「「こゝろこゝろこころからからから春はる春はるはるまつまつまつそのそのそのはははわがわがわがやどやどやどののの紅葉もみぢ紅葉もみぢもみじををを風かぜ風かぜかぜのののつてつてつてにににだにだにだに見み見みみよよよ」」」。。。若わか若わかわかききき人々びと人々びとびと、、、御おん御おんおんつかひつかひつかいもてもてもてはやすはやすはやすさまさまさまどもどもどもをかしをかしおかし。。。
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引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

秋の彼岸のころにお移りになる。一度にとお決めになっていたけれど、騒がしいようだからといって、中宮は少し延期なさる。いつものようにおっとりとして気どらない花散里は、その夜一緒にお移りになる。

春の町の御しつらいは、この季節には合わないけれど、たいそう格別である。御車は十五台、御前駆は四位・五位が多くて、六位の殿上人などは、しかるべき者ばかりをお選びになった。仰々しいほどではなく、世の非難もあろうかと省略なさったので、何事も大げさでいかめしいことはない。

もう一方(花散里)のご様子も、ほとんど劣らないようにして、侍従の君(夕霧)が付き添って、そちらは大切にお世話なさるので、なるほどこうあるべきことだったのだと見えた。女房の部屋部屋など、それぞれに割り当てた細かな配慮が、他の何よりもすばらしかった。

五、六日過ぎて、中宮が宮中から退出なさる。このご儀式は、また、そうはいってもたいそう盛大である。ご幸運がすぐれていらっしゃったことはもちろんのこと、ご様子が奥ゆかしく重々しくていらっしゃるので、世に重んじられていらっしゃることが格別でいらっしゃった。

これらの町々の間の隔てには、塀や廊などを、あれこれと行き来できるようにして、親しく趣深い間柄になるようにしていらっしゃった。

九月になると、紅葉があちこち色づいて、中宮の御前は言いようもなく趣深い。風がさっと吹いた夕暮れに、御箱の蓋に色とりどりの花や紅葉を混ぜて、こちら(紫の上)に差し上げなさった。

大柄な童女が、濃い紫の衵に紫苑色の織物を重ねて、赤朽葉の薄物の汗衫を着て、たいそうもの慣れた様子で、廊や渡殿の反り橋を渡って参上する。正式な儀式だけれど、童女の美しいのをお見捨てになれなかったのである。そのような所にお仕えし慣れているので、ふるまいや様子は他とは違って好ましく美しい。

お手紙には、「好きこのんで春を待っているあなたのお庭は、今は寂しいでしょうから、せめて私の庭の紅葉を、風の便りにでもご覧なさい」。若い女房たちが、お使いをもてはやす様子などが面白い。

お返事は、この御箱の蓋に苔を敷き、岩などの趣向をこらして、五葉の松の枝に、「風に散る紅葉は軽々しいものです。春の色を、岩根の松の変わらぬ緑に託して、ご覧いただきたいものです」。この岩根の松も、細かに見ると、何とも言えないほど見事な作り物であった。

このように即座に思いつきなさった趣向の奥ゆかしさなどを、中宮は面白くご覧になる。御前の女房たちもほめ合っている。

大臣(源氏)は、「この紅葉のお便りは、たいそう憎らしげですね。春の花盛りに、このお返事は申し上げなさい。この時期に紅葉をけなすのは、竜田姫が思うこともあるでしょうから、ここは退いて、花の陰に隠れてこそ、強いことも言えましょう」と申し上げなさるのも、たいそう若々しく、尽きることのないご様子の見どころが多いうえに、いっそう理想どおりのお住まいで、お便りを交わしていらっしゃる。

大井の御方(明石の君)は、このように御方々のお移りが決まってから、人数にも入らない身は、いつとはなく目立たないように移ろうとお思いになって、十月にお移りになった。御しつらいや、移る儀式の様子も劣らないようにして、源氏はお移し申し上げなさる。姫君(明石の姫君)のためをお思いになるので、おおよその作法も、他の方々と差をつけず、たいそう重々しくお扱いになった。

意訳

秋の彼岸のころ、源氏と紫の上、花散里が六条院に移り、数日後には秋好中宮も移る。九月、中宮は箱の蓋に花や紅葉を入れて紫の上に贈り、秋の美しさを誇る歌を添える。紫の上は、苔や岩をあしらった箱の蓋に五葉の松の枝を添えて返す。

源氏は、春の花の盛りに改めて答えるようにと言う。十月には明石の君も目立たぬように移ってくるが、源氏は姫君のために、他の方々と差をつけずに重々しく迎える。

語釈・文法注

立田姫
竜田姫。秋をつかさどる女神。奈良の竜田山を神格化したもの。春の女神である佐保姫と対になる。

文法

「だに」(風のつてにだに見よ)
「せめて風の便りにでも」。最小限の希望を示す。
強意の「こそ…め」(かけてこそ見め)
「託してこそご覧いただきたい」。適当・勧誘の「む」の已然形。

和歌

こゝろから春まつそのはわがやどの紅葉を風のつてにだに見よ

詠者
秋好中宮
状況
紫の上に、花や紅葉を添えて贈った歌。好きこのんで春を待っているあなたのお庭は、今は寂しいでしょうから、せめて私の庭の紅葉を、風の便りにでもご覧なさい。

風に散る紅葉はかろし春の色を岩ねの松にかけてこそ見め

詠者
紫の上
状況
秋好中宮への返歌。風に散る紅葉は軽々しいものです。春の色を、岩根の松の変わらぬ緑に託して、ご覧いただきたいものです。

修辞

見立て
常緑の松に、春の変わらぬ美しさを託し、散りやすい紅葉と対比させる。

解説

秋好中宮と紫の上の春秋の争いは、六条院の四季の町を象徴する優雅な贈答である。中宮の紅葉に対し、紫の上は常緑の松で春の変わらぬ美しさを示して応じる。この春秋の競いは、胡蝶の巻で紫の上の返礼によって決着を見る。

明石の君が目立たぬように最後に移ってくる姿には、身分の低さをわきまえた慎み深い性格が表れている。少女の巻は、六条院の完成によって、源氏の栄華の頂点を描いて閉じられる。

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出典

底本
丸岡桂・松下大三郎編『国文大観』物語部1(源氏物語 上) 板倉屋書房、明治36年(1903)、412–415頁(コマ210–211)。国立国会図書館デジタルコレクション
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部
更新日