古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二十 釈教歌 1953番

吹く風に

寂然(じゃくぜん)

吹く風に花橘が匂っているのだろうか。昔が思われる今日の空だなあ。

作者
寂然法師(寂然)
  1. 1栴檀香風悅可衆心せんだんかうふうえつかしゆしん栴檀香風悅可衆心せんだんかうふうえつかしゆしんせんだんこうふうえつかしゅしん詞書
  2. 2吹ふ吹ふふくくく風かぜ風かぜかぜににに初句
  3. 3花はな花はなはなたちばなやたちばなやたちばなや二句
  4. 4にほふらむにほふらむにおうらむ三句
  5. 5昔むかし昔むかしむかし覺おぼ覺おぼおぼゆるゆるゆる四句
  6. 6今日けふ今日けふきょうののの空そら空そらそらかなかなかな結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「栴檀香風悦可衆心」。

吹く風に花橘が匂っているのだろうか。昔が思われる今日の空だなあ。

意訳

吹く風に花橘が香っているのだろうか。釈迦在世の昔がしのばれる今日の空だ。

語釈・文法注

栴檀香風悅可衆心
栴檀の香りの風が人々の心を喜ばせる。

和歌

作者
寂然(じゃくぜん) 生没年未詳(十二世紀)
俗名藤原頼業。兄の寂念・寂超とともに「大原の三寂」と呼ばれた。西行と親しかった。
出典
『新古今和歌集』巻第二十・釈教歌・1953番
歌体
短歌
状況
詞書「栴檀香風悅可衆心」(「栴檀香風悦可衆心」)。

修辞

三句切れ
三句切れ。

解説

寂然の歌。底本は結句を「今日の空かな」とするが、「けふの庭かな」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、362頁(コマ191)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日