古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第二十 釈教歌 1940番

立返り

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

立ち返って苦しい海に置く網も、深い縁にこそ心を引かれるのだろう。

作者
寂蓮法師
  1. 1引接結緣樂いんぜふけちえんらく引接結緣樂いんぜふけちえんらくいんじょうけちえんらく詞書
  2. 2立たち立たちたち返かへ返かへかえりりり初句
  3. 3苦くる苦くるくるしきしきしき海うみ海うみうみににに二句
  4. 4おくあみもおくあみもおくあみも三句
  5. 5深ふか深ふかふかきえにこそきえにこそきえにこそ四句
  6. 6心こころ心こころこころひくらめひくらめひくらめ結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

〔詞書〕引接結縁楽。

立ち返って苦しい海に置く網も、深い縁にこそ心を引かれるのだろう。

意訳

浄土から苦しみの海に立ち戻って衆生を救う網を置くのも、深い縁のある人にこそ心を引かれるからだろう。

語釈・文法注

引接結緣樂
縁を結んだ人を浄土に導く楽しみ。
え
「江」と「縁」を掛ける。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第二十・釈教歌・1940番
歌体
短歌
状況
詞書「引接結緣樂」(引接結縁楽)。

修辞

掛詞
「え」に「江」と「縁」。
縁語
「海」「あみ」「江」「ひく」。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、359頁(コマ189)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日