新古今和歌集 巻第十九 神祇歌 1908番
熊野川
熊野川を下す早瀬の水馴れ棹よ、さすがに見なれない波の通い路だ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕新宮に参詣するというので、熊野川で。
熊野川を下す早瀬の水馴れ棹よ、さすがに見なれない波の通い路だ。
意訳
熊野川の早瀬を下る舟の水馴れ棹ではないが、さすがに見なれない波の通い路だ。
語釈・文法注
- 水馴棹
- 水になれた棹。
- さす
- 「(棹を)さす」と「さすが」を掛ける。
- みなれぬ
- 「水馴れ」と「見馴れぬ」を掛ける。
和歌
- 作者
- 後鳥羽院(ごとばいん) 1180–1239
第八十二代天皇。譲位後に院政を行い、和歌所を置いて『新古今和歌集』の撰集を命じ、自らも撰歌と切継に深く関わった。承久の乱(1221)に敗れて隠岐に配流され、配所でも集の精選(隠岐本)を続けた。『新古今和歌集』では「太上天皇」と記され、三十三首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十九・神祇歌・1908番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「新宮に詣づとて、熊野川にて」(新宮に参詣するというので、熊野川で)。
修辞
- 序詞
- 初句〜第三句。
- 掛詞
- 「さす」「みなれ」。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
後鳥羽院の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、352頁(コマ186)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日