新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1833番
思ひ出でて
思い出してもし尋ねる人がいたら、生きているとは言うな。無常な世だから。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕嘆くことがあった頃、大峰に籠もるというので、同行の人々の一部は京へ帰れなどと申して詠みました歌。
思い出してもし尋ねる人がいたら、生きているとは言うな。無常な世だから。
意訳
私を思い出して尋ねてくる人がいたら、まだ生きているとは言わないでくれ。明日をも知れない世なのだから。
語釈・文法注
- ありとないひそ
- 生きているとは言うな。
和歌
- 作者
- 行尊(ぎょうそん) 1055–1135
源基平の子。園城寺の僧で、大峰山などで修行を重ね、のち天台座主・大僧正に至った。修行の旅の歌が多い。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1833番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「歎くこと侍りける頃、大峯にこもるとて、同行どもかたへは京へ歸りねなど申してよみ侍りける」(嘆くことがあった頃、大峰に籠もるというので、同行の人々の一部は京へ帰れなどと申して詠みました歌)。
修辞
- 四句切れ
- 四句切れ。
- 倒置
- 倒置。
解説
行尊の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、336〜337頁(コマ178)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日