新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1822番
小笹原
小笹原の風を待つ露が消えきらずに、この一節を思い残すことだ。
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現代語訳
〔詞書〕病が重く最期と思われた時、定家朝臣の中将転任のことを申すというので、民部卿範光のもとに贈った歌。
小笹原の風を待つ露が消えきらずに、この一節を思い残すことだ。
意訳
風が吹けば消える小笹の露のような命だけれど、消えきらないうちに、息子の昇進というこの一事だけが気がかりです。
語釈・文法注
- ひとふし
- 笹の「一節」と「一事」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1822番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「病かぎりに覺えける時、定家朝臣中將輔任の事申すとて、民部卿範光が許につかはしける」(病が重く最期と思われた時、定家朝臣の中将転任のことを申すというので、民部卿範光のもとに贈った歌)。
修辞
- 掛詞
- 「ふし」に「節」と「事柄」。
- 縁語
- 「笹」「節」。
解説
俊成の歌。底本は詞書を「中將輔任」と刷るが、ふつう「中将転任」とする。底本は第三句を「消えやらで」とするが、「消えやらず」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、335頁(コマ177)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日