新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1784番
うき世出でし
つらい世を出た月日の光がめぐって来て、変わらない道をまた照らしているのだろう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕西行法師が山里から出て来て、昔出家しましたその月日に当たっていますなどと申しました返事に。
つらい世を出た月日の光がめぐって来て、変わらない道をまた照らしているのだろう。
意訳
あなたが世を捨てた日がまためぐって来て、月日の光が、変わらず歩んでいる仏の道を照らしていることでしょう。
語釈・文法注
- 月日の影
- 月日の光。年月の意をかける。
和歌
- 作者
- 八条院高倉(はちじょういんのたかくら) 生没年未詳(十二世紀後半〜十三世紀前半)
藤原惟方の娘とされ、鳥羽天皇の皇女八条院暲子内親王に仕えた女房。後鳥羽院の歌壇で活躍した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1784番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「西行法師、山里よりまかり出でて、昔出家し侍りし其月日にあたりて侍るなど申したりける返事に」(西行法師が山里から出て来て、昔出家しましたその月日に当たっていますなどと申しました返事に)。
修辞
- 字余り
- 初句。
解説
八条院高倉の歌。底本はこの歌の後に、流布本だけにある太上天皇(後鳥羽院)の「大空に契る思ひの年もへぬ月日もうけよ行末の空」(太神宮の歌合に)を刷る。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、328頁(コマ174)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日