新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1741番
賴み來し
頼みにしてきたわが古寺の苔の下で、いつのまにか朽ちてしまう名が惜しい。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕病気になった時、無動寺で詠みました歌。
頼みにしてきたわが古寺の苔の下で、いつのまにか朽ちてしまう名が惜しい。
意訳
長年頼りにしてきたこの古寺の苔の下に、早くも朽ち果ててしまう自分の名が惜しまれる。
語釈・文法注
- 無動寺
- 比叡山東塔の寺。慈円が住んだ。
- いつしか
- 早くも。
和歌
- 作者
- 慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1741番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「例ならぬこと侍りけるに、無動寺にてよみ侍りける」(病気になった時、無動寺で詠みました歌)。
修辞
- 字余り
- 第三句。
解説
慈円の歌。底本は第四句を「いつしか朽ちむ」とするが、「いつか朽ちなむ」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、321頁(コマ170)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日