古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1740番

世の中の

慈円(じえん)

世の中が晴れて行く空に降る霜のように、つらい身ばかりが置き所がない。

作者
前大僧正慈圓(慈円)
  1. 1五十首ごじつしゆ五十首ごじつしゆごじっしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし時とき時ときとき詞書
  2. 2世よ世よよののの中なか中なかなかののの初句
  3. 3はれはれはれ行ゆ行ゆゆくくく空そら空そらそらににに二句
  4. 4ふるふるふる霜しも霜しもしもののの三句
  5. 5うきうきうき身み身みみばかりぞばかりぞばかりぞ四句
  6. 6おきどころなきおきどころなきおきどころなき結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕五十首の歌を差し上げた時。

世の中が晴れて行く空に降る霜のように、つらい身ばかりが置き所がない。

意訳

世の中は晴れわたって行くのに、そこに降る霜のように、つらい私の身だけが身の置き所がない。

語釈・文法注

おきどころ
霜が「置く」と身の「置き所」を掛ける。

和歌

作者
慈円(じえん) 1155–1225
関白藤原忠通の子で、九条兼実の弟、良経の叔父。天台座主を四度務めた。歴史書『愚管抄』を著した。率直で多彩な歌風で、『新古今和歌集』に西行に次ぐ九十二首が入る。家集に『拾玉集』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1740番
歌体
短歌
状況
詞書「五十首の歌奉りし時」(五十首の歌を差し上げた時)。

修辞

掛詞
「おき」に「置き(霜)」と「置き所」。

解説

慈円の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、321頁(コマ170)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日