新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1726番
濱千鳥
浜千鳥が踏んでおく足跡が積もったならば、かいのある浦に逢わないことがあろうか。
場面イラスト(準備中)
- 1最慶法師最慶法師さいけいほうし、、、千載集千載集せんざいしゅう書書かきてきてきて奉奉たてまつりけるりけるりける包紙包紙つつみがみににに、、、「「「墨墨すみをををすりすりすり筆筆ふでををを染染そめつゝめつゝめつつ年年としふれどかきふれどかきふれどかき顯顯あらわせるせるせる言言ことののの葉葉はぞなきぞなきぞなき」」」ととと書書か付付つけてけてけて侍侍はべりけるりけるりける御御おおんかへしかへしかえし詞書
- 2濱千鳥濱千鳥はまちどり初句
- 3ふみふみふみ置置おくくく跡跡あとののの二句
- 4つもりなばつもりなばつもりなば三句
- 5かひあるかひあるかいある浦浦うらににに四句
- 6あはざらめやはあはざらめやはあわざらめやは結句
現代語訳
〔詞書〕最慶法師が千載集を書いて差し上げた包み紙に、「墨をすり筆を染めつつ年ふれど書き顕せる言の葉ぞなき」と書きつけてありましたお返し。
浜千鳥が踏んでおく足跡が積もったならば、かいのある浦に逢わないことがあろうか。
意訳
浜千鳥の足跡のように書きためた筆の跡が積もれば、きっと甲斐のある日に巡り合うだろう。
語釈・文法注
- 浜千鳥
- その足跡を筆跡にたとえる。
- かひある浦
- 「甲斐」と「貝」を掛ける。
和歌
- 作者
- 後白河院(ごしらかわいん) 1127–1192
第七十七代天皇。譲位後、五代の天皇にわたって院政を行った。今様を愛好し、歌謡集『梁塵秘抄』を編んだ。藤原俊成に『千載和歌集』の撰集を命じた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1726番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「最慶法師、千載集書きて奉りける包紙に、「墨をすり筆を染めつゝ年ふれどかき顯せる言の葉ぞなき」と書付けて侍りける御かへし」(最慶法師が千載集を書いて差し上げた包み紙に、「墨をすり筆を染めつつ年ふれど書き顕せる言の葉ぞなき」と書きつけてありましたお返し)。
修辞
- 掛詞
- 「かひ」に「甲斐」と「貝」。
- 縁語
- 「浜千鳥」「跡」「浦」。
解説
後白河院の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、317〜318頁(コマ168)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日