新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1720番
夢かとも
夢かとどうして思おうか。つらい世を背かずにいた間こそ悔しい。
場面イラスト(準備中)
- 1世世よをををそむきてそむきてそむきて、、、小野小野おのといふといふという所所ところににに住住すみみみ侍侍はべりけるりけるりける頃頃ころ、、、業平業平なりひら朝臣朝臣あそん雪雪ゆきのいとのいとのいと高高たこうふりうふりうふり積積つみたるみたるみたるをををかきわけてまうでかきわけてまうでかきわけてもうで來來きててて、、、夢夢ゆめかとぞかとぞかとぞ思思おもふおもひきやとよみふおもひきやとよみうおもいきやとよみ侍侍はべりけるにりけるにりけるに詞書
- 2夢夢ゆめかともかともかとも初句
- 3何何なにかかか思思おもはむはむわむ二句
- 4うきうきうき世世よをばをばをば三句
- 5そむかざりけむそむかざりけむそむかざりけむ四句
- 6程程ほどぞぞぞ悔悔くやしきしきしき結句
現代語訳
〔詞書〕出家して小野という所に住んでいた頃、業平朝臣が雪がたいへん高く降り積もったのをかき分けて参上して、「夢かとぞ思ふ思ひきや」と詠みましたので。
夢かとどうして思おうか。つらい世を背かずにいた間こそ悔しい。
意訳
夢かなどと、どうして思いましょう。むしろこのつらい世を捨てずにいた年月こそが悔やまれます。
語釈・文法注
- そむかざりけむ程
- 出家しなかった間。
和歌
- 作者
- 惟喬親王(これたかしんのう) 844–897
文徳天皇の第一皇子。母は紀名虎の娘静子(三条町)。皇位を弟(清和天皇)に越され、のち出家して比叡山の麓の小野に隠棲した。在原業平との交流が『伊勢物語』に描かれる。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1720番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「世をそむきて、小野といふ所に住み侍りける頃、業平朝臣雪のいと高うふり積みたるをかきわけてまうで來て、夢かとぞ思ふおもひきやとよみ侍りけるに」(出家して小野という所に住んでいた頃、業平朝臣が雪がたいへん高く降り積もったのをかき分けて参上して、「夢かとぞ思ふ思ひきや」と詠みましたので)。
修辞
- 二句切れ
- 二句切れ。
解説
惟喬親王の歌。業平の「忘れては夢かとぞ思ふ思ひきや雪ふみわけて君を見むとは」(『古今集』970番・『伊勢物語』第八十三段)への返し。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、316頁(コマ168)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日