新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1714番
かはるらむ
変わったであろう衣の色を思いやる涙は、衣の裏の玉と見分けがつかないだろうか。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕上東門院が出家なさった後、黄金の装束をした沈香の数珠を銀の箱に入れ、梅の枝につけて差し上げられた時。
変わったであろう衣の色を思いやる涙は、衣の裏の玉と見分けがつかないだろうか。
意訳
墨染めに変わったあなたの衣の色を思って流す私の涙は、衣の裏に縫いつけた宝珠と見まがうほどでしょう。
語釈・文法注
- うらの玉
- 衣の裏の玉。法華経の喩え。数珠の玉もかける。
- まがはむ
- 見まちがえるだろう。
和歌
- 作者
- 藤原妍子(ふじわらのけんし) 994–1027
藤原道長の娘。三条天皇の中宮。枇杷殿に住んだので枇杷皇太后宮と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1714番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「上東門院出家の後、黄金の裝束したる沈の數珠、銀の筥に入れて、梅の枝につけて奉られける」(上東門院が出家なさった後、黄金の装束をした沈香の数珠を銀の箱に入れ、梅の枝につけて差し上げられた時)。
修辞
- 縁語
- 「衣」「うら」「玉」。
解説
妍子の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、315頁(コマ167)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日