新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1712番
そのかみの
その昔の玉の髪飾りを裏返して、今は衣の裏を頼みにしよう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕皇后にお立ちになった時、冷泉院の后の宮がご自分の額飾りを差し上げなさったのを、出家の時にお返し申し上げるというので。
その昔の玉の髪飾りを裏返して、今は衣の裏を頼みにしよう。
意訳
あの頃いただいた玉の髪飾りをお返しして、今は法衣の裏に縫いつけた宝珠の教えを頼みにします。
語釈・文法注
- ひたひ
- 額につける飾り。
- 衣のうら
- 衣の裏の玉。『法華経』の衣裏繋珠の喩えをふまえる。
和歌
- 作者
- 東三条院(ひがしさんじょういん) 962–1001
藤原詮子。藤原兼家の娘。円融天皇の女御で、一条天皇の母。女院号のはじめ。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1712番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「后に立ち給ひける時、冷泉院の后宮の御ひたひを奉りたまひけるを、出家の時返し奉り給ふとて」(皇后にお立ちになった時、冷泉院の后の宮がご自分の額飾りを差し上げなさったのを、出家の時にお返し申し上げるというので)。
修辞
- 縁語
- 「玉」「うち返し」「衣」「うら」。
解説
詮子の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、314〜315頁(コマ167)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日