新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1699番
海ならず
海どころか、満ちている水の底までも、清らかな心は月が照らしてくれるだろう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕「海」を題に。
海どころか、満ちている水の底までも、清らかな心は月が照らしてくれるだろう。
意訳
海よりもさらに深く満ちた水の底まで、月は照らしてくれるだろう。私の清らかな心も、きっと月は見通してくれるはずだ。
語釈・文法注
- 海ならず
- 海でさえなく、それよりも深い。
- たたへる
- 満ちている。
和歌
- 作者
- 菅原道真(すがわらのみちざね) 845–903
学者・政治家。宇多・醍醐天皇に重用されて右大臣に至ったが、藤原時平らの讒言で大宰権帥に左遷され、配所で没した。死後に太政大臣を追贈され、のち天神として祀られた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1699番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「海」(「海」を題に)。
解説
道真の歌。月に天の照覧を託して身の潔白を訴える。底本は第三句を「底までも」とするが、「底までに」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、312頁(コマ166)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日