新古今和歌集 巻第十八 雑歌下 1690番
足曳の
山にはあちらこちらに道があるけれど、都へさあ帰ろうと言ってくれる人がいない。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕「山」を題に。
山にはあちらこちらに道があるけれど、都へさあ帰ろうと言ってくれる人がいない。
意訳
山にはあちらにもこちらにも道が通っているのに、その中に都へ帰る道はなく、「さあ都へ」と誘ってくれる人もいない。
語釈・文法注
- あしびきの
- 「山」にかかる枕詞。ここでは「山」の題の歌で、枕詞だけを置いて山を表す。
和歌
- 作者
- 菅原道真(すがわらのみちざね) 845–903
学者・政治家。宇多・醍醐天皇に重用されて右大臣に至ったが、藤原時平らの讒言で大宰権帥に左遷され、配所で没した。死後に太政大臣を追贈され、のち天神として祀られた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十八・雑歌下・1690番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「山」(「山」を題に)。
修辞
- 枕詞
- 「あしびきの」。
解説
道真の歌で、巻第十八(雑歌下)の巻頭。大宰府に流された道真が、山・日・月・雲など一字の題で詠んだとされる歌群(1690〜1701)の初め。底本は第二句を「かなたこなたに」、結句を「言ふ人のなき」とするが、「こなたかなたに」「いふ人ぞなき」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、311頁(コマ165)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日