新古今和歌集 巻第十六 雑歌上 1560番
しめおきて
しるしを付けておいて、今にもと思う秋山の、蓬の根もとで松虫が鳴く。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕八十歳を大きく過ぎた後、百首歌をお召しになった時に、詠んで献上した歌。
しるしを付けておいて、今にもと思う秋山の、蓬の根もとで松虫が鳴く。
意訳
墓所と定めておいて、今にもそこに入るのかと思う秋の山。蓬の根もとで、松虫が私を待つように鳴いている。
語釈・文法注
- しめ
- 占有のしるし。
- まつ
- 「待つ」と「松虫」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十六・雑歌上・1560番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「八十におほくあまりて後、百首の歌めしゝによみて奉りし」(八十歳を大きく過ぎた後、百首歌をお召しになった時に、詠んで献上した歌)。
修辞
- 掛詞
- 「まつ」に「待つ」と「松虫」。
解説
俊成の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、285頁(コマ152)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日