新古今和歌集 巻第十六 雑歌上 1553番
八重葎
八重葎の茂った家には人もいない。まばらに月の光が澄んでいる。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕知り合いの人のもとに出かけたところ、その人はよそに住んでいて、ひどく荒れた家に月が差しこんでいましたので。
八重葎の茂った家には人もいない。まばらに月の光が澄んでいる。
意訳
葎が生い茂った家には住む人もいない。荒れて隙間だらけの家に、月の光だけが住むように澄んで差しこんでいる。
語釈・文法注
- すみ
- 「澄み」と「住み」を掛ける。
和歌
- 作者
- 大江匡房(おおえのまさふさ) 1041–1111
大江匡衡の曽孫。学者として後三条・白河・堀河天皇に仕え、権中納言に至った。有職故実書『江家次第』を著した。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十六・雑歌上・1553番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「あひしりて侍りける人の許にまかりたりけるに、その人外に住みて、いたう荒れたる宿に、月のさし入りて侍りければ」(知り合いの人のもとに出かけたところ、その人はよそに住んでいて、ひどく荒れた家に月が差しこんでいましたので)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
- 掛詞
- 「すみ」に「澄み」と「住み」。
解説
匡房の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、284頁(コマ152)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日