新古今和歌集 巻第十六 雑歌上 1495番
思ひあらば
思いの火があるなら、今夜の空を訪ねてきただろうに。見えたのは月の光だったのだろうか。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕月の明るかった夜、人が蛍を包んでよこしたので、雨が降っていた時に申し送った歌。
思いの火があるなら、今夜の空を訪ねてきただろうに。見えたのは月の光だったのだろうか。
意訳
本当に思いの火があるなら、雨の今夜でも訪ねて来るはずです。蛍の光と見えたのは、ただの月の光だったのでしょうか。
語釈・文法注
- 思ひ
- 「火」を掛ける。
和歌
- 作者
- 和泉式部(いずみしきぶ) 978?–?
大江雅致の娘。和泉守橘道貞の妻となり、のち冷泉天皇の皇子為尊親王・敦道親王との恋で知られる。中宮彰子に仕えた。情熱的な恋の歌が多く、『和泉式部日記』がある。娘は小式部内侍。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十六・雑歌上・1495番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「月あかく侍りける夜、人の螢をつゝみて遣したりければ、雨ふりけるに申し遺しける」(月の明るかった夜、人が蛍を包んでよこしたので、雨が降っていた時に申し送った歌)。
修辞
- 掛詞
- 「ひ」に「思ひ」と「火」。
解説
和泉式部の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、273頁(コマ146)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日