新古今和歌集 巻第十五 恋歌五 1425番
數ならば
人並みの身であったならこうなっただろうか。世の中で、ひどく悲しいのは、賤しい身の倭文の苧環のような私だ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕忍んで親しくしていた女の親が聞いて、いさめましたので。
人並みの身であったならこうなっただろうか。世の中で、ひどく悲しいのは、賤しい身の倭文の苧環のような私だ。
意訳
人並みの身分であったら、こんなことにはならなかっただろう。世の中でいちばん悲しいのは、繰り返し同じことを嘆く、身分の低い私だ。
語釈・文法注
- 賤の苧環
- 倭文を織る糸を巻いたもの。「繰り返し」「賤しい身」を連想させる。
和歌
- 作者
- 小野篁(おののたかむら) 802–852
小野岑守の子。遣唐副使に任じられたが乗船を拒み隠岐に流され、のち許されて参議に至った。漢詩文にすぐれ、野狂と呼ばれた。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十五・恋歌五・1425番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「忍びてかたらひける女の親きゝて、いさめ侍りければ」(忍んで親しくしていた女の親が聞いて、いさめましたので)。
修辞
- 二句切れ
- 二句切れ。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
篁の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、258頁(コマ139)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日