古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1324番

むせぶとも

藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか))

むせんでいるとも知らないだろうな、あの人の心は。瓦屋で私だけが消さずにいる、下でくすぶる煙のような思いは。

詞書
「被忘戀の心を」(前の歌と同じ詞書)
作者
定家朝臣(藤原定家)
  1. 1むせぶともむせぶともむせぶとも初句
  2. 2知し知ししらじならじならじな心こころ心こころこころ二句
  3. 3かはらかはらかわら屋や屋ややににに三句
  4. 4我われ我われわれのみのみのみ消け消けけたぬたぬたぬ四句
  5. 5下した下したしたののの煙けぶり煙けぶりけぶりははは結句

引用の仕方

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現代語訳

むせんでいるとも知らないだろうな、あの人の心は。瓦屋で私だけが消さずにいる、下でくすぶる煙のような思いは。

意訳

あの人は知らないだろう。瓦屋の下でくすぶる煙のように、私ひとりが消さずに抱えている恋の思いにむせんでいることを。

語釈・文法注

かはら
「変はら」と「瓦屋」を掛ける。

和歌

作者
藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。
出典
『新古今和歌集』巻第十四・恋歌四・1324番
歌体
短歌
状況
詞書「被忘戀の心を」(「被忘恋(忘らるる恋)」の心を)。

修辞

二句切れ
二句切れ。
倒置
倒置。
掛詞
「かはら」に「変はら」と「瓦」。

解説

定家の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、241頁(コマ130)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日