古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1321番

來ぬ人を

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

来ない人を待つ、飽きの気配が深まったのだろうか。恨みに弱っていく松虫の声よ。

作者
寂蓮法師
  1. 1攝政太政大臣せつしやうだいじやうだいじん攝政太政大臣せつしやうだいじやうだいじんせっしょうだいじょうだいじんののの家いへ家いへいえののの歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詞書
  2. 2來こ來ここぬぬぬ人ひと人ひとひとををを初句
  3. 3あきのけしきやあきのけしきやあきのけしきや二句
  4. 4更ふ更ふふけぬらむけぬらむけぬらむ三句
  5. 5恨うら恨うらうらみによわるみによわるみによわる四句
  6. 6松蟲まつむし松蟲まつむしまつむしののの聲こゑ聲こゑこえ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕摂政太政大臣の家の歌合で。

来ない人を待つ、飽きの気配が深まったのだろうか。恨みに弱っていく松虫の声よ。

意訳

来ない人を待つうちに、秋も深まった。あの人の飽きた気配も深まったのだろうか。待ちわびて恨みに弱っていく松虫の声よ。

語釈・文法注

あき
「秋」と「飽き」を掛ける。
まつ
「待つ」と「松虫」を掛ける。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第十四・恋歌四・1321番
歌体
短歌
状況
詞書「攝政太政大臣の家の歌合に」(摂政太政大臣の家の歌合で)。

修辞

掛詞
「あき」に「秋」と「飽き」、「まつ」に「待つ」と「松虫」。
体言止め
体言止め。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、240〜241頁(コマ130)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日