古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1287番

來ぬ人を

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

来ない人をもう思い切った庭の面の、蓬の葉末こそ、待つよりもまさっている。

作者
寂蓮法師
  1. 1攝政太政大臣せつしやうだいじやうだいじん攝政太政大臣せつしやうだいじやうだいじんせっしょうだいじょうだいじんののの家いへ家いへいえののの百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうたよみよみよみ侍はべ侍はべはべりけるにりけるにりけるに詞書
  2. 2來こ來ここぬぬぬ人ひと人ひとひとををを初句
  3. 3思おも思おもおもひひい絕た絕たたえたるえたるえたる二句
  4. 4庭には庭にはにわののの面おも面おもおもののの三句
  5. 5蓬よもぎ蓬よもぎよもぎががが末すゑ末すゑすえぞぞぞ四句
  6. 6待ま待ままつにまされるつにまされるつにまされる結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕摂政太政大臣の家の百首歌を詠みました時に。

来ない人をもう思い切った庭の面の、蓬の葉末こそ、待つよりもまさっている。

意訳

来ない人のことはもう思い切った。けれども庭に生い茂る蓬の葉末は、松よりも高く、待つ心にもまさるほど伸びている。

語釈・文法注

まつ
「待つ」と「松」を掛ける。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第十四・恋歌四・1287番
歌体
短歌
状況
詞書「攝政太政大臣の家の百首の歌よみ侍りけるに」(摂政太政大臣の家の百首歌を詠みました時に)。

修辞

字余り
第三句。
掛詞
「まつ」に「待つ」と「松」。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、235頁(コマ127)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日