新古今和歌集 巻第十四 恋歌四 1284番
松山と
末の松山を浪が越えないように変わらないと約束した人はつれなくて、袖を越す涙の浪に残る月の光よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
末の松山を浪が越えないように変わらないと約束した人はつれなくて、袖を越す涙の浪に残る月の光よ。
意訳
末の松山を浪が越えないように心変わりしないと誓った人は、つれなくなった。浪が袖を越えるほどの涙に、月の光だけが残っている。
語釈・文法注
- 松山
- 末の松山。陸奥国の歌枕。
和歌
- 作者
- 藤原定家(ふじわらのさだいえ(ていか)) 1162–1241
藤原俊成の子。『新古今和歌集』の撰者の一人で、のち『新勅撰和歌集』を単独で撰び、『小倉百人一首』を選んだとされる。妖艶・有心の美を追求した新古今時代の代表的歌人。日記『明月記』、歌論書『近代秀歌』『毎月抄』がある。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十四・恋歌四・1284番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「八月十五日夜、和歌所にて月前戀といふことを」(八月十五日夜、和歌所で「月前恋(月前の恋)」という題を)。
修辞
- 本歌取り
- 「君をおきてあだし心をわが持たば末の松山浪も越えなむ」(古今集)をふまえる。
- 体言止め
- 体言止め。
解説
定家の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、234頁(コマ127)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日