古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十三 恋歌三 1219番

かけて思ふ

紀貫之(きのつらゆき)

心にかけて思う人もいないけれど、夕方になると、面影の絶えない玉葛だなあ。

詞書
「題しらず」(前の歌と同じ詞書)
作者
貫之(紀貫之)
  1. 1かけてかけてかけて思おも思おもおもふふう初句
  2. 2人ひと人ひとひともなけれどもなけれどもなけれど二句
  3. 3夕ゆふ夕ゆふゆうさればさればされば三句
  4. 4面影おもかげ面影おもかげおもかげたえぬたえぬたえぬ四句
  5. 5玉蔓たまかづら玉蔓たまかづらたまかずらかなかなかな結句

引用の仕方

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現代語訳

心にかけて思う人もいないけれど、夕方になると、面影の絶えない玉葛だなあ。

意訳

心にかけて思う人がいるわけでもないのに、夕方になると、美しい葛が絶えず続くように、面影が絶えず浮かんでくる。

語釈・文法注

玉葛
つる草の美称。「かけ」「絶え」と縁語。

和歌

作者
紀貫之(きのつらゆき) 872?–945?
『古今和歌集』の撰者の中心で、仮名序を書いた。御書所預などを経て土佐守となり、任期を終えて帰京する旅を『土佐日記』に書いた。理知的で技巧に富む歌風で、『古今和歌集』に最も多い百首あまりが入る。三十六歌仙の一人。
出典
『新古今和歌集』巻第十三・恋歌三・1219番
歌体
短歌
状況
題しらず(詠まれた事情は伝わらない)。

修辞

縁語
「かけ」「たえ」「玉蔓」。
体言止め
体言止め。

解説

貫之の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、223頁(コマ121)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日