新古今和歌集 巻第十三 恋歌三 1220番
僞を
偽りを正すという糺の森の木綿襷をかけて、誓いなさい、私を思うならば。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕宮仕えしていた女と親しくしておりましたが、身分の高い男が入りこんで言い寄る様子を見て恨んだところ、女が言い争ったので、詠みました歌。
偽りを正すという糺の森の木綿襷をかけて、誓いなさい、私を思うならば。
意訳
偽りを正すという名の糺の森の神に、木綿襷をかけて誓いなさい。本当に私を思っているのなら。
語釈・文法注
- ただす
- 「糺す」と「糺の森(下鴨神社)」を掛ける。
- 木綿襷
- 神事に用いる襷。
和歌
- 作者
- 平定文(平中)(たいらのさだふん(へいちゅう)) ?–923
平好風の子。好色の風流人として知られ、『平中物語』の主人公とされる。中古三十六歌仙の一人。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十三・恋歌三・1220番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「宮仕しける女をかたらひ侍りけるに、やんごとなき男のいり立ちていふけしきを見て怨みけるを、女あらがひければ、よみ侍りける」(宮仕えしていた女と親しくしておりましたが、身分の高い男が入りこんで言い寄る様子を見て恨んだところ、女が言い争ったので、詠みました歌)。
修辞
- 掛詞
- 「ただす」に「糺す」と「糺の森」。
- 四句切れ
- 四句切れ。
- 倒置
- 倒置。
解説
平定文の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、223頁(コマ121)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日