新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1141番
幾夜われ
幾夜わたしは浪にしおれて、貴船川で、袖に玉の散るもの思いをするのだろう。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕家で百首歌合をしました時に、「祈恋(祈る恋)」という題を。
幾夜わたしは浪にしおれて、貴船川で、袖に玉の散るもの思いをするのだろう。
意訳
幾夜、私は貴船川に参って、浪に濡れしおれながら、袖に涙の玉を散らしてもの思いをするのだろう。
語釈・文法注
- きふね
- 「来」と「貴船」を掛ける。貴船神社は恋の祈願で知られた。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1141番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「家に百首の歌合し侍りけるに、祈戀といへる心を」(家で百首歌合をしました時に、「祈恋(祈る恋)」という題を)。
修辞
- 掛詞
- 「きふね」に「来」と「貴船」。
解説
良経の歌。和泉式部の「もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる玉かとぞ見る」をふまえる。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、207頁(コマ113)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日