古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1118番

ありとても

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

生きていても逢えない例として名を取る名取川よ、いっそ朽ちはててしまえ、瀬々の埋もれ木のように。

作者
寂蓮法師
  1. 1攝政太政大臣せつしやうだいじやうだいじん攝政太政大臣せつしやうだいじやうだいじんせっしょうだいじょうだいじんののの家いへ家いへいえののの歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせによみによみによみ侍はべ侍はべはべりけるりけるりける詞書
  2. 2ありとてもありとてもありとても初句
  3. 3あはぬためしのあはぬためしのあわぬためしの二句
  4. 4名取川なとりがは名取川なとりがはなとりがわ三句
  5. 5朽く朽くくちだにちだにちだにはははてねてねてね四句
  6. 6瀨々せぜ瀨々せぜせぜののの埋木うもれぎ埋木うもれぎうもれぎ結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕摂政太政大臣の家の歌合で詠みました歌。

生きていても逢えない例として名を取る名取川よ、いっそ朽ちはててしまえ、瀬々の埋もれ木のように。

意訳

生きていても逢えない恋の例として名を残すくらいなら、名取川の瀬々に沈む埋もれ木のように、いっそ朽ちはててしまいたい。

語釈・文法注

名取川
陸奥国の歌枕。「名を取る」を掛ける。
埋木
水中や土中に埋もれた木。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1118番
歌体
短歌
状況
詞書「攝政太政大臣の家の歌合によみ侍りける」(摂政太政大臣の家の歌合で詠みました歌)。

修辞

掛詞
「名取」に「名を取る」と「名取川」。
体言止め
体言止め。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、203頁(コマ111)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日