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新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1111番

散らすなよ

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい))

散らさないでくれ。篠の葉の草の仮にでも、露がかかるはずの袖の上であろうか。

作者
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
  1. 1入道前關白にふだうさきのくわんぱく入道前關白にふだうさきのくわんぱくにゅうどうさきのかんぱく右大臣うだいじん右大臣うだいじんうだいじんににに侍はべ侍はべはべりけるりけるりける時とき時ときとき百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうたののの中なか中なかなかににに、、、忍戀しのぶこひ忍戀しのぶこひしのぶこい詞書
  2. 2散ち散ちちらすなよらすなよらすなよ初句
  3. 3篠しの篠しのしののののははは草ぐさ草ぐさぐさののの二句
  4. 4かりにでもかりにでもかりにでも三句
  5. 5露つゆ露つゆつゆかゝるべきかゝるべきかかるべき四句
  6. 6袖そで袖そでそでののの上うへ上うへうえかはかはかは結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕入道前関白が右大臣でした時、百首歌の中で、「忍恋」。

散らさないでくれ。篠の葉の草の仮にでも、露がかかるはずの袖の上であろうか。

意訳

篠の葉の露よ、散らさないでおくれ。かりそめにでも涙の露がかかってよい袖ではないのだ。人に知られてしまうから。

語釈・文法注

かり
「刈り」と「仮」を掛ける。

和歌

作者
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1111番
歌体
短歌
状況
詞書「入道前關白右大臣に侍りける時百首の歌の中に、忍戀」(入道前関白が右大臣でした時、百首歌の中で、「忍恋」)。

修辞

初句切れ
初句切れ。
掛詞
「かり」に「刈り」と「仮」。

解説

俊成の歌。底本は第四句を「露かゝるべき」とするが、「露かるるべき」とする本もある。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、202頁(コマ111)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日