古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1110番

逢ふことは

藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい))

逢うことはむずかしい。交野の里の笹の庵のように、しきりに露が散る夜半の床だなあ。

作者
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)
  1. 1百首ひやくしゆ百首ひやくしゆひゃくしゅののの歌うた歌うたうた奉たてまつ奉たてまつたてまつりしりしりし時とき時ときとき詞書
  2. 2逢あ逢ああふことふことうことははは初句
  3. 3かたのゝかたのゝかたのの里さと里さとさとののの二句
  4. 4さゝのさゝのささの庵いほ庵いほいお三句
  5. 5しのにしのにしのに露つゆ露つゆつゆちるちるちる四句
  6. 6夜半よは夜半よはよわののの床とこ床とことこかなかなかな結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕百首歌を献上した時の歌。

逢うことはむずかしい。交野の里の笹の庵のように、しきりに露が散る夜半の床だなあ。

意訳

あの人に逢うことはむずかしい。交野の里の笹葺きの庵に露がしきりにこぼれるように、夜半の寝床には涙がしきりにこぼれる。

語釈・文法注

かた
「難(かた)」と「交野」を掛ける。
しのに
しきりに。「篠」を響かせる。

和歌

作者
藤原俊成(ふじわらのとしなり(しゅんぜい)) 1114–1204
藤原定家の父。『千載和歌集』を撰び、歌論書『古来風体抄』を著した。余情と「幽玄」を重んじる歌風で、御子左家の歌学の基礎を築き、新古今時代の歌人たちを導いた。法名は釈阿。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1110番
歌体
短歌
状況
詞書「百首の歌奉りし時」(百首歌を献上した時の歌)。

修辞

掛詞
「かた」に「難」と「交野」。
体言止め
体言止め。

解説

俊成の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、202頁(コマ111)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日