古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1109番

思へども

藤原忠定(ふじわらのたださだ)

思うけれども、言わないで月日は過ぎた。杉の門を鎖すように、さすがにどうして忍び通せようか。

作者
藤原忠定
  1. 1欲言出戀いひいでむとほつするこひ欲言出戀いひいでむとほつするこひいいいでんとほっするこいといへるといへるといえる心こころ心こころこころををを詞書
  2. 2思おも思おもおもへどもへどもえども初句
  3. 3いはでいはでいわで月日つきひ月日つきひつきひははは二句
  4. 4すぎのすぎのすぎの門かど門かどかど三句
  5. 5さすがにいかゞさすがにいかゞさすがにいかが四句
  6. 6忍しの忍しのしのびびび果は果ははつべきつべきつべき結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕「欲言出恋(言ひ出でんと欲する恋)」という題を。

思うけれども、言わないで月日は過ぎた。杉の門を鎖すように、さすがにどうして忍び通せようか。

意訳

思いながらも打ち明けないまま、月日は過ぎていった。杉の門を鎖すように口を閉ざしてきたが、さすがにいつまでも忍び通すことはできない。

語釈・文法注

すぎ
「過ぎ」と「杉」を掛ける。
さす
門を「鎖す」と「さすがに」を掛ける。

和歌

作者
藤原忠定(ふじわらのたださだ) 1188–1256
藤原兼宗の子。権中納言に至った。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1109番
歌体
短歌
状況
詞書「欲言出戀といへる心を」(「欲言出恋(言ひ出でんと欲する恋)」という題を)。

修辞

掛詞
「すぎ」に「過ぎ」と「杉」、「さす」に「鎖す」と「さすが」。

解説

忠定の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、202頁(コマ111)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日