古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1108番

山がつの

藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね)

山里の人の麻の衣が、梭の目が粗いので目が合わないように、会わないで月日が過ぎたのか。杉で葺いた庵よ。

作者
攝政太政大臣(藤原良経(後京極摂政))
  1. 1水無瀬みなせ水無瀬みなせみなせののの戀こひ戀こひこいののの十五首じふごしゆ十五首じふごしゆじゅうごしゅののの歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに詞書
  2. 2山やま山やまやまがつのがつのがつの初句
  3. 3麻あさ麻あさあさのさのさのさ衣ごろも衣ごろもごろも二句
  4. 4梭をさ梭をさおさをををあらみあらみあらみ三句
  5. 5あはであはであわで月日つきひ月日つきひつきひややや四句
  6. 6すぎすぎすぎ葺ぶ葺ぶぶけるけるける庵いほ庵いほいお結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕水無瀬の恋の十五首歌合で。

山里の人の麻の衣が、梭の目が粗いので目が合わないように、会わないで月日が過ぎたのか。杉で葺いた庵よ。

意訳

山里の人の麻の衣は、織り目が粗くて糸がよく合わさらない。そのように、あの人と会えないまま月日は過ぎていく。杉葺きの粗末な庵で。

語釈・文法注

梭
機織りで横糸を通す道具。
あはで
「会はで」と布目が「合はで」を掛ける。
すぎ
「過ぎ」と「杉」を掛ける。

和歌

作者
藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1108番
歌体
短歌
状況
詞書「水無瀬の戀の十五首の歌合に」(水無瀬の恋の十五首歌合で)。

修辞

掛詞
「あは」に「会は」と「合は」、「すぎ」に「過ぎ」と「杉」。
体言止め
体言止め。

解説

良経の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、202頁(コマ111)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日