古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1101番

草深き

藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね)

草深い夏野を分けて行く牡鹿のように、声こそ立てないが、露がこぼれる。

作者
攝政太政大臣(藤原良経(後京極摂政))
  1. 1水無瀨みなせ水無瀨みなせみなせののの戀こひ戀こひこいののの十五首じふごしゆ十五首じふごしゆじゅうごしゅののの歌合うたあはせ歌合うたあはせうたあわせににに、、、夏戀なつのこひ夏戀なつのこひなつのこいををを詞書
  2. 2草くさ草くさくさ深ふか深ふかふかききき初句
  3. 3夏野なつの夏野なつのなつのわけゆくわけゆくわけゆく二句
  4. 4さささををお鹿しか鹿しかしかののの三句
  5. 5音ね音ねねをををこそたてねこそたてねこそたてね四句
  6. 6露つゆ露つゆつゆぞこぼるゝぞこぼるゝぞこぼるる結句

引用の仕方

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現代語訳

〔詞書〕水無瀬の恋の十五首歌合で、「夏恋」を。

草深い夏野を分けて行く牡鹿のように、声こそ立てないが、露がこぼれる。

意訳

草深い夏野を分けて行く牡鹿は、秋のように声をあげては鳴かない。私も声をあげて泣きはしないが、涙の露がこぼれ落ちる。

語釈・文法注

さを鹿
牡鹿。
音をたつ
声をあげて泣く。

和歌

作者
藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1101番
歌体
短歌
状況
詞書「水無瀨の戀の十五首の歌合に、夏戀を」(水無瀬の恋の十五首歌合で、「夏恋」を)。

解説

良経の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、200頁(コマ110)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日