古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1089番

洩らさばや

殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ)

漏らしたいものだ、思う心を。このままではとてもいられない。山城の井手の柵のように。

詞書
「戀の歌あまたよみ侍りけるに」(前の歌と同じ詞書)
作者
殷富門院大輔
  1. 1洩も洩ももらさばやらさばやらさばや初句
  2. 2思おも思おもおもふふう心こころ心こころこころををを二句
  3. 3さてのみはさてのみはさてのみは三句
  4. 4えぞえぞえぞ山城やましろ山城やましろやましろののの四句
  5. 5井手ゐで井手ゐでいでののの柵しがらみ柵しがらみしがらみ結句

引用の仕方

レポート・論文で引用する場合の表記例です。行番号を選んでから開くと、その行へのリンクになります。

現代語訳

漏らしたいものだ、思う心を。このままではとてもいられない。山城の井手の柵のように。

意訳

この思いを打ち明けたい。このままでいることなどとてもできない。井手の柵からも水が漏れるのだから。

語釈・文法注

えぞやま
「え(ぞ)止ま(じ)」と「山城」を掛ける。
井手
山城国の地名。
柵
水をせき止めるもの。

和歌

作者
殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ) 1131?–1200?
藤原信成の娘。後白河天皇の皇女殷富門院亮子内親王に仕えた女房。多作で知られ、「千首大輔」と呼ばれた。
出典
『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1089番
歌体
短歌
状況
詞書「戀の歌あまたよみ侍りけるに」(恋の歌をたくさん詠みました時に)。

修辞

初句切れ
初句切れ。
倒置
倒置。
掛詞
「やま」に「止ま」と「山城」。
体言止め
体言止め。

解説

殷富門院大輔の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、198頁(コマ109)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日