新古今和歌集 巻第十二 恋歌二 1087番
洩らすなよ
漏らさないでくれ、雲の上の峰の初時雨よ。木の葉の下は色が変わっても。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕左大将でした時、家で百首歌合をしました時に、「忍恋」の心を。
漏らさないでくれ、雲の上の峰の初時雨よ。木の葉の下は色が変わっても。
意訳
雲のかかる峰に降る初時雨よ、木の葉の下が紅葉して色を変えるように、私の心の中が恋に染まっていても、どうか人に漏らさないでおくれ。
語釈・文法注
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十二・恋歌二・1087番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「左大將に侍りける時、家に百首の歌合し侍りけるに、忍戀の心を」(左大将でした時、家で百首歌合をしました時に、「忍恋」の心を)。
修辞
- 初句切れ
- 初句切れ。
- 倒置
- 倒置。
解説
良経の歌。底本は第二句を「雲井の嶺の」、第四句を「木の葉の下は」とするが、「雲ゐる峰の」「木の葉は下に」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、198頁(コマ109)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日