新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1077番
難波人
難波の人は、どのような入り江で朽ち果てるのだろう。会うこともなく、身を尽くしながら。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕和歌所の歌合で、「忍恋」を詠んだ歌。
難波の人は、どのような入り江で朽ち果てるのだろう。会うこともなく、身を尽くしながら。
意訳
難波の澪標が入り江で朽ちていくように、私はどんな縁で朽ち果てるのだろう。会うこともないまま、身を尽くして恋い焦がれながら。
語釈・文法注
- え
- 「江」と「縁(え)」を掛ける。
- なみ
- 「無み」と「浪」を掛ける。
- みをつくし
- 「澪標」と「身を尽くし」を掛ける。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1077番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「和歌所の歌合に、忍戀をよめる」(和歌所の歌合で、「忍恋」を詠んだ歌)。
修辞
- 三句切れ
- 三句切れ。
- 掛詞
- 「え」に「江」と「縁」、「なみ」に「無み」と「浪」、「みをつくし」に「澪標」と「身を尽くし」。
解説
良経の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、195頁(コマ107)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日