新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1073番
梶緒たえ
梶の緒が切れて由良の湊に寄る舟が、頼るすべも知らないように吹く、沖の潮風よ。
場面イラスト(準備中)
現代語訳
〔詞書〕百首歌を献上した時の歌。
梶の緒が切れて由良の湊に寄る舟が、頼るすべも知らないように吹く、沖の潮風よ。
意訳
梶の緒が切れて由良の湊に漂い寄る舟のように、私の恋は頼るすべもない。沖から吹く潮風に、ただ吹き流されるばかりだ。
語釈・文法注
- かぢを
- 梶を舟につなぐ綱。
和歌
- 作者
- 藤原良経(後京極摂政)(ふじわらのよしつね) 1169–1206
九条兼実の子。摂政・太政大臣に至った。『新古今和歌集』の仮名序を書き、和歌所の寄人の筆頭として撰集を主導した。叔父の慈円や藤原定家ら御子左家の歌人を庇護し、清新で格調の高い歌を詠んだ。書にもすぐれ、後京極流の祖とされる。『新古今和歌集』に七十九首が入る。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1073番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「百首の歌奉りしに」(百首歌を献上した時の歌)。
修辞
- 体言止め
- 体言止め。
- 本歌取り
- 好忠の「由良の門を」の歌をふまえる。
解説
良経の歌。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、195頁(コマ107)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日