古典ライブラリー

新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1032番

思ひあれば

寂蓮法師(じゃくれんほうし)

思いの火があるので、袖に蛍を包んでも、言いたいものだ。尋ねる人はいない。

詞書
「家に歌合し侍りけるに、夏戀の心を」(前の歌と同じ詞書)
作者
寂蓮法師
  1. 1思おも思おもおもひあればひあればいあれば初句
  2. 2袖そで袖そでそでににに螢ほたる螢ほたるほたるををを二句
  3. 3つゝみてもつゝみてもつつみても三句
  4. 4いはゞやいはゞやいわばや物もの物ものものををを四句
  5. 5とととふふう人ひと人ひとひとはははなしなしなし結句

引用の仕方

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現代語訳

思いの火があるので、袖に蛍を包んでも、言いたいものだ。尋ねる人はいない。

意訳

蛍を袖に包んでも光がもれるように、私の恋の思いも隠しきれない。打ち明けたいけれど、尋ねてくれる人もいない。

語釈・文法注

思ひ
「火」を掛ける。

和歌

作者
寂蓮法師(じゃくれんほうし) 1139?–1202
俗名は藤原定長。藤原俊成の甥で養子となったが、定家が生まれると出家した。『新古今和歌集』の撰者に選ばれたが、完成前に没した。「三夕の歌」の一首「さびしさはその色としもなかりけり」で知られる。
出典
『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1032番
歌体
短歌
状況
詞書「家に歌合し侍りけるに、夏戀の心を」(家で歌合をしました時に、「夏恋」の心を)。

修辞

掛詞
「おもひ」に「思ひ」と「火」。
四句切れ
四句切れ。

解説

寂蓮の歌。

関連

出典

底本
『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、188頁(コマ104)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
校訂・訳・注
古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
更新日