新古今和歌集 巻第十一 恋歌一 1023番
跡をだに
せめて筆の跡だけでも、草がわずかに萌えるように見たいものだ。草を結ぶほどの深い仲ではなくても。
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現代語訳
〔詞書〕返事をくれない女のもとに贈ろうといって、人が詠ませましたので、二月ごろに詠みました歌。
せめて筆の跡だけでも、草がわずかに萌えるように見たいものだ。草を結ぶほどの深い仲ではなくても。
意訳
契りを結ぶほどの仲でなくてもいい。せめて萌え出た草のようにわずかでも、あなたの筆の跡を見たいものだ。
語釈・文法注
- むすぶ
- 草を結ぶことと、契りを結ぶことを掛ける。
和歌
- 作者
- 和泉式部(いずみしきぶ) 978?–?
大江雅致の娘。和泉守橘道貞の妻となり、のち冷泉天皇の皇子為尊親王・敦道親王との恋で知られる。中宮彰子に仕えた。情熱的な恋の歌が多く、『和泉式部日記』がある。娘は小式部内侍。 - 出典
- 『新古今和歌集』巻第十一・恋歌一・1023番
- 歌体
- 短歌
- 状況
- 詞書「返事せぬ女のもとにつかはさむとて、人のよませ侍れば、二月ばかりによみ侍りける」(返事をくれない女のもとに贈ろうといって、人が詠ませましたので、二月ごろに詠みました歌)。
修辞
- 掛詞
- 「むすぶ」に「草を結ぶ」と「契りを結ぶ」。
解説
和泉式部の歌。底本は第二句を「草のわづかに」とするが、「草のはつかに」とする本もある。
関連
出典
- 底本
- 『新古今集』 短歌雑誌社編輯部校訂、紅玉堂書店、大正15年(1926)、187頁(コマ103)。流布本を底本とする。国立国会図書館デジタルコレクション(保護期間満了)
- 校訂・訳・注
- 古典ライブラリー編集部(本文は底本による。現代語訳・注は当サイト)
- 更新日